ウェイングインジケータ F820Q&A

F820は、従来の192×96サイズのウェイングコントローラでは表現できなかった波形描画を実現できます。
また、実際のロードセル入力波形と指示計によるフィルター効果後の波形を同時に描画することでフィルターの効果を確認しながらチューニングができるウェイングコントローラです。

PCソフトと標準装備のUSBインターフェイスを併用することで液晶が搭載されている機器と同様に波形描画など各種情報を表現できます。

豊富な入出力信号により、袋詰めの二連交互排出制御やPLCレスでのシステム構築など便利な機能を装備しています。
また、稼働前や稼働中の問題点を改善する目的として設備の特性などチェックする用途にも使えます。

ご利用いただく機種、装置によって詳細は変わりますが、概ね下記の手順で導入、立ち上げとなります。

１）
機器、装置に設置された状態で、まず較正を行ってロードセルとインジケータが正しい荷重を表示出来るようにします。
重量計測の場合は、秤やタンクなど重量を量る場所に｢分銅｣を載せて実負荷較正を行います。計量法で定められた特定計量器の場合、都道府県の計量検定所が実施する検定を別途受ける必要があります。
荷重計測の場合は、ロードセルの試験成績書記載のデータを基に「定格容量N」と「定格出力mV/V」を数値入力します。

２）
荷重や重量計測の応答性を左右するアナログフィルタ、デジタルフィルタ、安定検出などのパラメータを設定します。

３）
ホールド機能、上下限比較機能、切出し計量、シーケンスモードなど制御、I/O信号の動作に関する設定を行います。

４）
上下限判定値や定量目標値、落差などのワーク（銘柄） 毎の判定基準値を設定します。

５）
十分時間をかけて試運転を行い、予期せぬ動作をしないよう装置全体の検証を行います。

スパン較正を正確に行うためには、分銅重量値は最大秤量値の50％以上積載して頂くことをお勧めします。
大きな屋外サイロ、分銅を載せる場所が無いなど特殊事情の場合は弊社営業までご相談ください。 ご事情に合わせて提案させていただきます。

ロードセルの仕様書、試験成績書には「許容印加電圧」や「推奨印加電圧（例」）BV=10V」が記載されています。 推奨印加電圧と同じか、低い電圧をかける分には問題ありません。
印加電圧が低い場合、それに比例してロードセル出力電圧も下がるので外的ノイズ等によりS/N比の悪影響が懸念されますが、弊社が得意とする低ノイズの回路技術により十分な性能と精度を確保しています。特に最近では、インジケータの印加電圧を低く抑えてロードセルの発熱、ドリフトを軽減する手法が一般的になっており、むしろ低電圧駆動のメリットをロードセル＋インジケータの総合性能向上に活かしています。安心してお使いください。

弊社製品、またはそれを組み込んだ機器・装置を「最終的に設置する国名」、「ご使用になるお客様の会社名」をお知らせ下さい。貿易管理令に基づいたパラメーターシートを発行させて頂きます。
発行に時間がかかりますので、通関業務まで余裕を持ってご依頼下さい。
なお、CPUを搭載していないアナログ系回路のみの製品（アンプや直流増幅器など）には、非該当である旨記述した「メーカー見解書」を発行いたします。

BCD出力、D/Aコンバータ（電流出力）、RS-232C、RS-485（4線式）の4種類です。
最大でBCD出力, D/Aコンバータ, RS-485の中から一つ　+　RS-232Cが搭載可能です。

状況により、弊社技術センターにご返却していただくことで追加・改造が可能です(有償)。
ただし、ご購入時にオプション構成を十分にご検討いただくことをお勧めいたします。
お客様の状況により別途対応することも可能ですので、まずは弊社営業担当にご相談ください。

USB、SI/Fが標準で搭載されています。

お客様の求められる性能によっては使用しなくても電気的には可能ですが、個々のロードセルの定格出力のばらつきを解消する事や、被計量物の物性にもよりますが積載位置の偏りによる誤差を少なくすること、配線トラブルのリスクを減らすためにも和算箱の使用をお勧めします。
和算箱は、2～4個のロードセルで構成される秤/計量機を作るときに、各ロードセルの配線を1本にまとめてインジケータに接続するジャンクションボックスの役目を果たします。

分銅較正済みの秤で、例えば10.00kg表示のところ10.000kgのように表示分解能を上げたい場合、再度分銅を積む実負荷較正が必須になります。
ただし、接続されているロードセルの定格容量、定格出力とロードセルインジケータの最小入力感度の兼ね合いで、 欲しい表示分解能が得られないこともあります。
・ 秤の定格容量[kg]
・ 最大秤量値[kg]
・ 希望する最小目盛[kg]
・ 較正時に使う分銅重量[kg]
・ 風袋重量[kg]
・ 秤を構成しているロードセルの和算個数[個]
・ 1個あたりの定格容量[kg]
・ 定格出力[mV/V]
・ インジケータのスパン調整範囲[mV/V]
・ 最小入力感度[μV/Count]
・ 表示分解能[～目量]
以上の要件を明確にして、ロードセルの性能（非直線性や温度特性）、インジケータの性能仕様と比較して無理が無いか、事前に十分ご検討ください。

弊社インジケータに単位の換算機能はありません。表示分解能の変更と同様に再度分銅を積んで新しい単位による実負荷較正が必須となります。
較正に関する設定項目の中で単位はいつでも変更可能ですが、これは表示されている単位だけが変わり、荷重値の実数は変わりません。再度較正を行うことによりはじめて真の荷重値になります。

ゼロ較正時に秤、またはロードセルの出力がマイナス側に出ている状態です。ロードセルに正しい方向の負荷が かかっているか、またはロードセルの＋SIGとーSIGの配線が逆になっていないか確認してください。
既製品のフロアスケール、台秤を接続しているときは、輸送時の過負荷防止ストッパーが架かったままになっている可能性もあります。
また一部の市販台秤、ロードセルでは無負荷状態のSIG出力電圧が最初からマイナス方向にオフセットされている機種があります。その場合には、マイナスオフセット分を相殺する負荷（例えば重量のある鉄板を敷くなど）をかけるか、外部抵抗器によるゼロ点シフトを行うと改善する場合があります。下記の要領をご参照下さい。

スパン較正時に秤、またはロードセルの出力電圧がインジケータのスパン調整範囲に達していない（電圧が小さい）場合に表示されます。ロードセルに正しく負荷がかけられているか（分銅が載っていないなど）、ロードセルの出力がスパン調整範囲に達するだけの性能を持っていない等の要因も考えられます。
ロードセルの仕様と、インジケータの表示に関する設定値（最大秤量値、最小目盛、分銅重量）が適切な使用範囲内に収まっているかご確認ください。
ロードセルの定格容量に対して最大秤量値が極端に小さい場合には、最大秤量値を大きく設定し、再度スパン較正をすることでエラーが解消されることがあります。

ワンタッチ風袋引は、キー操作や通信等の指令により現在の総重量と風袋量を等しくし、 正味重量をゼロにする機能です。
これに対してプリセット風袋引は、事前に分かっている容器の重さ等を風袋量として登録しておき、正味重量から減算する機能です。
プリセット風袋引をご使用いただく 際には制限事項がありますので、事前にご使用になられる製品の取扱説明書をご確認ください。

① 状態表示ランプなどのステータス表示で風袋引が実行されているかご確認ください。
② 表示重量が正味重量になっていることをご確認ください。

機能キー禁止設定を確認してください。
機能キー禁止設定とは、意図的にフロントパネルキーの操作を禁止する機能です。 もしこの設定の総重量/正味切換キーが“禁止”になっていると、キー操作はできません。

機能キー禁止になっていないか、設定をご確認ください。

ゼロ較正したところを基準としてデジタルゼロ可能な範囲を超えてデジタルゼロを行った場合、ゼロアラームとして「ZALM」を表示します。
以下の状況が考えられます。
① 徐々に無負荷時状態がずれていった場合
⇒無負荷時の状態が、徐々にずれたか、秤上に何か残留物が残ってきているか。
徐々にずれた場合　：　ゼロ較正を再度取り直してください。
残留物　：　秤上の残留物を取り除いて、再度デジタルゼロを取り直してください。
② 突然大きくずれた場合
⇒ロードセルに定格以上の負荷がかかった可能性があります。
③ 設定されているデジタルゼロ規制値が適切でない場合
⇒設定値を変更し、再度デジタルゼロを取り直してください。

デジタルゼロ規制値とは、ゼロ較正したところを基準としてデジタルゼロを取ることができる範囲のことです。

例：デジタルゼロ規制値を2％に設定していた場合
最大秤量設定が100.0kgの場合、最初にゼロ較正したところを基準に2.0kgを超えてデジタルゼロをとることができません。

① 状態表示ランプの「ZALM」が点灯していないかご確認ください。
DZ規制値以上の重量値でデジタルゼロを行なうとゼロアラームとなり、[ZALM]が点灯します。DZ規制値を調整し、規制値以下の総重量でデジタルゼロ操作を行なってください。
② 重量表示が総重量値となっていることをご確認ください。

① 操作時にアラーム音が鳴る場合・・・　LOCK状態をご確認ください。
LOCKには、LOCK SW、ソフトLOCK等ございますので、各種取扱説明書をご参照ください。
② LOCKが解除されているのに設定値変更や較正操作が行えない場合・・・　今一度操作方法をご確認ください。

PCソフトはフリーソフトとなっております。
F820製品ページ下部よりダウンロード可能です。（ダウンロードには、お客様登録（無償）が必要です。）
ただし、本ソフトは不定期に更新する場合がございますのでご了承ください。

標準搭載されたUSBインターフェイスよりご使用できます。

容易に入手可能でお客様自体もどのくらいの長さを使用するかまちまちなため、USBケーブルは付属しておりません。
F820側のコネクタ形状はmini-Bタイプとなっております。

応答性を求めずより安定的な計測をする場合に変更して頂くと便利です。

AZ回数が「1」に設定されていませんか？毎回AZがかかり安定時間が入ります。